Y's Factory blog

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「えば」って何?「エヴァ」じゃないの?違います。餌場です。

Y's FactoryのYOSHIです。

皆さんは「えば」ってご存知ですか?私はこの言葉を聞いた時、「エヴァンゲリオン」の「エヴァ」だと確信したんですが、違ったんです。

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「えば」は「餌場」のことでした

え‐ば〔ゑ‐〕【餌ば】
《「餌食 (えば) み」の略》

1 鳥獣や魚のえさ。え。
2 人を誘うために利用するもの。えさ。

「斯るわずかの功名を―となして」〈井上勤訳・狐の裁判〉
3 人の欲望を満たすためのもの。えじき。

「この一語でまんまと好奇心の―になるかと思いの外」〈荷風ふらんす物語

「大造じいさんとガン」にいっぱい出てくるフレーズ

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椋鳩十による童話です。老狩人と利口な鳥であるガンの知恵比べを描いた作品で、小学5年生の国語の教科書にも載っています。この童話を聞くと「えば」というフレーズが何回も出てきて、「エヴァ」に毒されている私には「エヴァンゲリオン」にしか聞こえないんです。活字で読むと違和感はないんですが、誰かが音読しているのを耳にすると、「エヴァ」にしか聞こえないんです。皆さんも一度試してみて下さい。「エヴァ」と聞こえた人は、エヴァンゲリオンの世界にドップリ浸かっている人ですね。

「大造じいさんとガン」のお話

猪狩りに参加した私は、猟師たちから栗野岳に住む大造じいさんという72歳の猟師を紹介される。大造爺さんを訪ねた私は昔話を聞くうちに、50年前に起きたガンの頭領「残雪」との知恵比べの話に引き込まれていく。
じいさんは、栗野岳の麓の沼地を狩場としてガンを撃っていたが、翼に白い混じり毛を持つ「残雪」がガンの群れを率いるようになって、一羽の獲物も仕留められなくなっていた。そこで、タニシをつけたウナギ釣り針を杭につないだ罠を仕掛けることにした。初日に1羽を生け捕りにしたものの、翌日はすべてのタニシを取られた罠が残っているのみだった。丸呑みを禁じ、引き抜いて食べるように残雪が指導したものと判断した大造じいさんは感嘆の唸りを上げる。
翌年の狩に備え、大造じいさんは夏から俵1杯のタニシをかき集め、餌場(えば)近くに小屋を立てた。餌場(えば)にタニシをばら撒き、降り立った群れを小屋から狙い撃ちにする算段だった、小屋を不審に思ったか、餌場(えば)を代えて寄り付こうともしなかった。大造じいさんは憎悪を覚える。
3年目の対決に備え、大造じいさんは初年に捕らえたガンを囮にし、残雪の群れを誘導できるよう調教した。囮ガンは大造じいさんの肩に乗り、口笛の指示に従うところまで慣れた。決行の朝、大造じいさんが囮ガンを飛ばす直前、ハヤブサの奇襲を察した残雪の群れは一斉に飛び立った。飛び遅れた囮ガンにハヤブサが襲い掛かる中、残雪が割り込み、ハヤブサと交戦する。射止める絶好の機会を目の当たりにしながらも、大造じいさんは何故か一度向けた銃口を下ろす。墜落し、なおも地上で格闘する2羽を追って大造じいさんは飛び出す。逃げ出したハヤブサと対照的に、血まみれのまま大造じいさんを睨み据える残雪に威厳を感じる。
大造じいさんの手当てを受け、傷が癒えた残雪を放鳥する。飛び立つ残雪を「ガンの英雄」と称えつつ、大造じいさんはこれまでの卑怯な頭脳戦を悔い改め、正々堂々の真っ向勝負を誓いつつ、残雪が飛び去るまで見送った。

 

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