名古屋弁「見てみえる」標準語じゃない?【名古屋弁講座⑤だがや】
【名古屋弁講座第5弾だがや】
Y's FactoryのYOSHIです。
私が生まれ育った名古屋の言葉「名古屋弁」を楽しく知ってもらう企画の第5弾です。
〜してみえる
今回は名古屋の人がよく使う「みえる」という言葉について、紹介します。
「みえる」と言っても、「今日は天気がいいので、富士山がよく見える。」のように見ることができるという意味ではありません。また、「あの人は若く見える。」のようにそのように感じられるという意味でもありません。「先生が黒板に書いてみえる。」とか「この件はすでにメールで読んでみえたとは思います。」というように使います。名古屋の人は、「何をとろくさいこと言っとりゃあすの!」とお思いでしょうが、他の地域の方が聞くと全くなじみのない「みえる」の使い方なんです。
名古屋の人は尊敬表現に「〜みえる」をよく使います。「よんでみえる」(読んでおられる)、「かいてみえる」(書いておられる)などです。
この使い方を方言と気づいていない名古屋の人がほとんど?
「〜さんはみえますか(〜さんはいらっしゃいますか)」「明日はみえますか(明日はおいでになりますか)」というように、敬語表現として公式の場でも使われるため、多くの人が共通語だと意識しています。ちなみに、「みえる」は名古屋以外の東海三県では共通語だと意識されていわゆる『気づかない方言』のようです。
じゃあ、「見る」を尊敬表現にすると、どうなると思いますか?
「見てみえる」
となります。実に面白いですね。
おまけ講座:イントネーション
共通語より強いんですよね。疑問文の最後の音節が伸ばされ、その伸ばされた音節の前半が高く、後半が低く発音されます。
たとえば、
なに↗︎い↘︎(何?)
どこえ↗︎え↘︎(どこへ?)
なかなか活字で表現するのは難しいですが、こんな感じです。関西弁もイントネーションが強いんですが、名古屋弁はまた違った強さがあります。