けった【名古屋弁講座②だがや】
【名古屋弁講座第2弾だがや】
Y's FactoryのYOSHIです。
私が生まれ育った名古屋の言葉「名古屋弁」を楽しく知ってもらう企画の第2弾です。
名古屋弁の発音
共通語で「あい」または「あえ」という母音の連続がアとエの中間に当る母音を伸ばした「えぁ」に置き換えられます。これは英語の「can」や「cat」の母音を長く伸ばした長母音であり、共通語には無い音です。例えば「無い」がよく「にゃあ」や「にゃー」のように表記されますが、実際は共通語の拗音とは異なる音です。例えば「ねこがにゃあとにゃあた(猫がにゃあと鳴いた)」という文では一つ目と二つ目の「にゃあ」は表記は同じでも別の音です。前者は共通語の「にゃあ」と同じで、後者は「ねえ」と「なあ」の中間の「ねぁ」です。すなわち先の例は「ねこがにゃあとねぁた」となります。
けった(マシーン)
皆さんは「けった」と聞いたら、何を想像しますか?マシーンが付くと「何かの機械なんだろうな。」と想像できると思います。
答えはズバリ、「自転車」のことです。
「けった」という方言が生まれたのは、昭和になって庶民の足として自転車が普及してからです。自転車は、最初に地面を蹴って勢いをつけてからべダルを漕ぎ始めるので、「蹴ったくり」から「けった」になったという説が有力です。また、「けった」という呼び方の他にも、「けったマシーン」という呼び方もします。これはもともと「蹴ったくりマシーン」と呼んでいた名残という説と、「けった」がアレンジされたという説があります。どちらが正しいのかはハッキリしていません。
現在は使わなくなってきた
私が子供の頃は標準語だと思っていたぐらい当たり前のように使っていたのに、現在の子供たちの会話を聞いていると、自転車のことをけったと言っている子はいません。少しさみしい気がしますね。